◆所沢市 矢野暎約子様

 その日私は、国立劇場、文楽鑑賞教室へ行き、回りが全員着物姿という出で立ちで恵比寿へ、
一人浮きながら出席させていただいた。
 姜先生は、以前吉川晃司氏とのコーセーアンニュアージュトークにて存じ上げていたので、私は前々から
先生に聞いてみたいと思っていることがあった。
 そして、とても60歳には見えない程若く、落ちつきのあるやさしさあふれる素敵な方で、前方に座っていた
私は、すぐにファンになった。若い人にはない包容力、経験、知識は、聞き手を素直にさせる。いつも授業を
受けている東大生がうらやましくなったが、その立場に自分が成れる訳がないので一生懸命吸収して帰ろうと
思った。

「すべての業には時がある」
 人との出会い、タイミング
「未来は過去の中にある」
 祖先と繋がっている、縦で繋がっている。

これらは、自然界の法則にある事柄である。

自然界の法則より
永続と回転
すべては大中小の回転によって成り立っていて、永続は回転によって実現する。
地球や太陽や惑星等それ自体が回転する場合と宇宙や太陽等のように全体が回転する場合と、星の周囲を回転
する場合と内部で循環する場合があり、意志に基づいて法則が存在し、法則によって回転するから法則による
回転には正確な周期と軌道があり永続性がある。
回転の法則は天体だけではなくて、人間の体内や運命や人間界や自然界のすべての活動にも存在する。体内で
の回転は血液等の循環であり、人と人との出会いは巡り合いで自分の軌道と相手の軌道が接近あるいは接した
時であり、商売は現金と商品とお客様が循環し回転して成り立ち、国家においては人間とお金と物資が循環して
成り立っている。
人間は霊界と現界とを先祖と現在の自分と未来の子孫となって循環していて自分が法則によって幸福になれば
子々孫々に法則通りの幸福が受け継がれて完全健全体の子孫となり自分は幸福のまま、やがて霊界へ行って
幸福な先祖となり、さらに完全健全体の子孫となって再び現界へ生れ変わって自分も先祖も子孫も永遠の幸福者
として永遠に過去、現在、未来を正確な軌道と周期で循環、回転するのである。
今が一番大事
 今の瞬間の連続が過去、現在、未来を作っていって、過去の自分が現在の自分を作り、現在の自分は未来の
自分を作っている。

褒めて育てるは流行り
先生は、愛情がストレート、無条件に愛されている確信があった。
親の子供に注ぐ愛情は国は関係ない。
子供は自分を肯定しないといけない。
甘やかしても厳しくても自己肯定をする。
甘やかすか甘やかさないという議論は対した問題ではない。
自分を肯定する。母の褒められたい。
ある時から親以外から褒められるようになる。
親を越える。実は母に誰よりも褒められたい。
親子関係に一般法則はない。

ご自分でマザコンとおっしゃっているように姜先生がいかにお母様から愛されていたかが伝わって来た。
一流になられた方に共通しているのは何よりも母の愛だとわかる。
お母様はさぞかし勉強の出来る姜先生を誉めて下さったのだろうと思いきや、オール5を一番悪いと思って
らしたぐらい成績に興味がなかったそうである。とにかく野球選手にしたかったらしい。
その影響で小学校から野球をやってらしたが気が弱いから野球選手はダメだと判断。ボールが自分のところへ
来ないようにと思っていたと聞き、何とも親しみの持てるお話し、判断は正しかったと思った。

お父様は、無口で我慢強い方だったそうである。
楽しみは、たばこ、囲碁、将棋。

私の父も将棋が強かったのを思い出した。
お父様、お母様は忙しく商売をやってらしたそうで肉親以外の大人が沢山回りにいて、いっぱい大人達に
かわいがられたようだ。

「偉い人も偉くない人も歩いている食堂」
お母様のお言葉。

どんな人も食べて寝て・・・肩書きをはずせば生きる為にすることは皆同じである。

クロキさん、姜先生の初恋の方。
何かと言うと「クロキさん、クロキさん」と言う先生がおかしかった。
35〜40年思い続けてきた。と言うのはすごいと思った。
残念なことにクロキさんは20歳の時にお亡くなりになられたそうだが、こういう場合、美しい思い出のまま
の方がよかったのか、もしイメージが変わってしまったとしても会えた方がよかったのか、せつない話しである。
でも、あの世でもこの世でも念は伝達するので、クロキさんは先生がずっと思われ会いたがっていた気持ちは
伝わっていると思う。生まれ変わったらきっとまた出会えるであろう。

先生の素敵なお言葉を沢山メモさせて頂いた私だが、最後に何よりのお言葉は、直接質問させて頂き答えて
頂いたことだった。
私は息子が高校一年生で私立の進学校に行っているのだが、入学し安心し、気のゆるみなのか?今まで見た
ことのない点数の教科が出て来てしまい、母親の私はとても心配に思っていた。
大学受験の為に
母親として何をしたらいいのか、何をしない方がいいのか?
先生は、私に合わせるように、わかりやすく、何度も言って下さった。
「子供の話しを聞くこと。

 耳を持つ。口を出さない。やり直しがきく。

 見守り子供のやることを受け入れていく。」と言うこと。

まるで、おしゃべりでうるさい私のことを知っているかのようだった。
沢山の人の中での質問は緊張したが、勇気を出して聞けてよかった。すごくうれしかった。
他の先生にも同じようなことを言われたことはあるが、あまり素直に聞けなかった。
姜先生に言われて、初めて、忘れないようにしよう、気を付けよう、自分を変えよう、と思えた。
人間、すぐに変わるのは至難の業だが、私にとって今回のスクールは、自分を変えていくきっかけになった。
とても大きなことだ。

次の日、ママ友の忘年会にて、この話しをした。
みんなうなずきながら「よく勉強しろって言わない方がいいって言うもんね」と・・・
わかってても、なかなか直らないのが母親の口うるささだが、私の他にも思春期の息子に対する接し方を
改めようと思う母親が増えた!?

沢山ためになるお話しを本当にありがとうございました。
又、このような機会があれば、ぜひお世話になりたいと思う。

私も姜先生の教え子のひとりに成れた・・・